四人は仕方なくランチを食べるとそのままレストランを出て行った。出たところでしばらく考えていたが、一旦松田響輝の家に行くことにした。
松田響輝の家に行くとリビングで、彼の父親と母親が待っていて、四人に話を聞きたいと言ったので、レストランでの状況を話した。父親も母親も黙って聞いていたが、話が終わると母親は四人に問いかけた。
「あなた達は美鈴さんのマネージャーさんの家族が、あの俳優に復讐したと思っているのね。つまりあの俳優は美鈴さんを殺していないというのね。でも証拠はない。それにあの俳優も亡くなっている。手掛かりも何もないのね。じゃあもうこの辺で諦めた方がいいのじゃない」
「なぜそんなことを言うのです。美鈴さんを殺した真犯人は、きっとあのマネージャーさんたちですよ。このままじゃ美鈴さんが浮かべれないですよ」
松田響輝はそう言った。
「それは自業自得って言うのじゃないの。たとえ犯人があの人達だとしても、先に彼らの愛する家族を殺したのは、あの俳優と美鈴さんだわ。それに何の証拠もないってことは、まだあの俳優が美鈴さんを殺していたっていう可能性もゼロではないでしょう。これは仕方のない結末なのよ」
「でも、あやしいですよ。あの人達」
今度は川崎麗奈がそう言った。
「お母さんの言うことにも一里あるよ。ここが君たちの限界だよ」
今度は父親がそう言った。
「でも、お父様……」
松田響輝はそう呟いたが、次の言葉は出てこなかった。
「そんなことより、君たちは高校生なんだ。もう少し将来のことを考えて、勉強に身を入れた方がいいよ。もう全て終わったことなのだから、君たちは今が一番楽しい時期なのだから、高校生らしい時間を謳歌する方が、ずっと大切だろう」
確かにその通りかもしれないと四人は思った。あの事件以来犯人は誰かということだけに、時間を費やしてきた。もうその事件もあの俳優が亡くなり幕が下りたのだ。自分たちのしていることは何も意味のないことなのだとそう思えた。四人はそれぞれ自分の家に戻っていった。