四人がレストランに着くと、ちょうど何組かのお客が帰るところでした。昼をだいぶ過ぎていたので、その客たちがいなくなると、店内にお客さんはいなくなった。四人は席に座ってランチを注文した。その後、店員に話があると松田響輝は自分たちの席に来るように呼んだ。
「君は美鈴さんに殺された女性アイドルのお兄さんだね。そしてここの店主は君たちの父親だろう。そして母親は少し前まで美鈴さんのマネージャーをしていたんだよね。今度の美鈴さんの殺人事件に、君たちはどうかかわっているんでしょうか。」
「……。」
「関わっているのでしょう。」
松田響輝は重ねて聞くと、その店員はうっすら笑って、その後口を開いた。
「ええ、関わっていますよ。僕たちはあの俳優のアリバイ作りに利用されたのだから。」
「それだけじゃないですよね。」
由美子は聞いた。
「それだけですよ。」
「じゃあなぜ二年前にこの店を買い取ったのですか。」
「それは、あの俳優が事件の日、この近くの別荘に居て、そのアリバイを証明したのが、この店の定員だったから、何かトリックがあるのじゃないかって思って、それにここにはあの俳優が、いろいろな女性を連れ込んでいるっていうから、化けの皮をはがしてやろうと思ってね。スキャンダルが手に入ったら、週刊誌にリークしてやろうと思っていたが、なかなかガードが固くてね。」
「じゃあ、あくまで美鈴さんの殺人には関わっていないって言うのですね。」
「もちろんですよ。それとも確固たる証拠があって、言っているのですか。」
「それはないです。」
「じゃあ僕がお話できるのはここまでです。」
店員は四人の席から離れていった。